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アレスCEO阿部隆のアベブロ CEO Blog “Abeblo”

イノベーションを起こす企業の特徴とは?

先日、「2181 パーソルホールディングス」主催イベント「PERSOL CONFERENCE 2019」に参加してきましたが、早稲田大学大学院 早稲田大学ビジネススクールの入山章栄教授の【基調講演】[世界の経営学が示唆する、イノベーション創出のための人材・組織マネジメントのあり方]を聴かせていただきました。



入山教授はもちろんアカデミックが本業ですが、「4527 ロート製薬」や「3978 マクロミル」の社外取締役も務めるなど、実業界でも活躍されている方で、ベストセラーにもなった著書「ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学」は私も読ませていただきました。



昨今、多くの企業がイノベーション創出を重要な経営課題として取り組んでいると思いますが、欧米で先端的なイノベーション理論として「両利きの経営」が広く認知されているようです。

その2つの軸となるのが、「知の探索」と「知の深化」です。「知の探索」とは、「なるべく自分から離れた遠くの知を幅広く探し、今自分の持っている知と新しく組わせる」ことで、「組み合わせた知が収益性のあるビジネスになりそうなら、当然それは深堀りする必要があり、これを「知の深化」と定義しています。



日本の大企業でイノベーションがなかなか創出されない1つの原因が、予実管理などが意識されるあまり、企業の活動が「知の深化」に偏り、「知の探索」が不足しているというものです。

「知の探索」と「知の深化」の特徴としては、
「知の探索」
・ムダに見える失敗も多い
・人でないとできない

「知の深化」
・ムダを省く、確実にこなす
・RPA、AI、ICTで代替できる
などがあります。



入山教授は、イノベーションが起きない会社の2大パターンとして、
① 社是などに、「安心、安全」が入っている会社
② 人事評価が失敗を許容していない
をあげておりました。

もちろん、人命などにかかわる事業を展開している企業などでは「安心、安全」が最重要視される面は致し方ありませんが、失敗を許容し、納得感を持って「知の探索」を続けられる企業こそがイノベーション創出の可能性が高いといえそうです。

最近は大手企業もコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)を作り、オープンイノベーションという形で「知の探索」を進めておりますが、「9984 ソフトバンクグループ」が運営する「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」はその最たるものといえるでしょう。

足元では企業の余剰資金も豊富なので、CVC運営に特に問題はないように見えますが、入山教授によると、来年の東京オリンピック後あたりに景気が悪化した局面で、CVCによる「知の探索」を、納得感を持って続けられるかどうかがカギとのことでした。

「知の探索」は本業から離れているほど、効果も期待できるようですが、ちなみに入山教授が社外取締役を務める「4527 ロート製薬」は10月に「3676 デジタルハーツホールディングス」とeスポーツでの協業開始を発表しております。

医薬品セクターのロート製薬が最近流行りのeスポーツですから、なかなか本業から離れた「知の探索」にもみえますが、「ゲームで疲れた目にロートの目薬?」というシーンなどを想像すると、そう遠くなさそうにも感じますね。

ひと昔前までは、本業と関係性の薄い事業への参入や、多角化に踏み切るのは危ない企業のサインとして投資家も警戒していたわけですが、今後イノベーションを創出し、企業価値を大きく高めていくであろう企業を初期段階で発掘するためには、投資家も見方を変える必要があるのではないでしょうか。

アレス投資顧問でも、幅広く「知の探索」を行って様々な銘柄を発掘し、皆様にフィードバックしていきたいと考えておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

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