ESGマネー流入？！エスプールの決算説明会にいってきました！
先日、「2471 エスプール」の決算説明会に出席してきました。会場は茅場町の東京証券会館です。浦上壮平社長、佐藤英朗取締役、荒井直取締役、と名刺交換もさせていただきましたが、機関投資家、アナリストなど出席者は多く、注目度の高さが伺えました。
『19年11月期業績概要』
売上高は前期比18.4増の17522百万円、当期純利益は同74.7増の1082百万円。主要2サービス(人材アウトソーシング、障がい者雇用支援)が順調に拡大したほか、ロジスティクスアウトソーシング、採用支援サービス「OMUSUBI」が黒字転換し、6部門すべてが黒字化。うち4部門が売上過去最高を更新しております。
19年11月期は「IT投資の拡大」（インフラ強化、基幹システムの見直し、自動化による効率化をテーマに取り組む開発体制のため、採用を積極的に行う）にも取り組んでおり、20年11月期はこの取り組みのフル寄与から、さらなる効率化アップも見込めそうです。
『20年11月期業績予想』
今期は売上高が前期比17.8％増の20636百万円、当期純利益が同19％増の1288百万円と、2桁増収増益で、ともに過去最高を連続更新見通しです。
ただ同席されていた荒井直取締役は、質疑応答で期初予想は保守的な傾向にあることに言及。実際同社は、19年1月、20年1月と、2期連続で通期の業績予想を上方修正しておりますので、今期の上方修正にも期待したいですね。
『20年11月期事業方針』
中期経営計画では、「社会貢献性の高い」、「景気変化に強い」、「参入障壁が高い」をキーワードに高付加価値で利益率の高いサービス提供により、2020年11月期までに営業利益率10％を目指しており、最終年度の今期中には次の中期経営計画も発表される見通しです。
同社業績の牽引事業である、障がい者雇用支援サービスでは、障がい者専用の企業向け貸農園の運営、就職支援サービス(障がい者の教育・紹介)を展開。障害者雇用促進法の段階的引き上げにより、企業の雇用義務は拡大(～2021年4月：雇用率引き上げ2.2％→2.3％)しておりますが、雇用義務対象企業10万社に対し、達成率は46％にとどまっております。2.3％達成には約6.6万人の新規雇用が必要になるため、前期の同事業の障がい者雇用者数1480人に対して、事業拡大余地は非常に大きいですね。
この潜在需要を取り込むため、今期は3Qに新モデル(屋内型新農園)のローンチを予定。東京23区を中心に展開することで、リクルーティングが楽になるほか、天災(前期は台風15号の影響で特損100百万円を計上)リスクの軽減が見込めます。
同事業では、今期（第21期）計画でストック収入(管理収入)がフロー収入(設備販売)を逆転(観測可能な第14期以降で初)することになるため、より安定して稼げる体制へ。
ロジスティクスアウトソーシングサービスでは、EC通販の発送代行、越境ECサービス、物流センターの運営代行サービスなどを展開しておりますが、既存センターの収益力の最大化に当面注力し、将来的にはセンターの大型化・集約を検討しております。
浦上社長が、最も収益が上がると考え注力している事業で、今期仕込んで来期以降の飛躍を目指しており、ぜひ注目してくださいと、意気込みを語っておられました。
『配当方針・配当計画』
今期から配当方針に「資本効率」も追加され、連結配当性向を20％に設定（減益の場合でも単年度での連結配当性向60％を超えるまでは減配しない）。今期配当は3.3円と、前期の2円から65％増配となっておりますので、積極的な株主還元策として中長期スタンスの投資家からも評価されそうですね。
『主要株主』
主要株主についても説明がありましたが、機関投資家比率は54.2％と、前期の45.7％から8.5ポイント拡大しており、ESGマネーの流入を裏付けるようなデータとなっております。
SDGｓの「8．働きがいも経済成長も」のターゲット8.5には、「2030年までに、若者や障害者を含む全ての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、並びに同一労働同一賃金を達成する。」とありますので、今後もESGマネーの流入は期待できそうですね。
企業の魅力を知れば投資はもっと楽しくなります！アレスでは今後も様々な企業の魅力を発掘し、皆様にお届けしていきたいと思いますので、ぜひ継続してご覧くださいね！
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