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アレスCEO阿部隆のアベブロ CEO Blog “Abeblo”

池上彰氏参加のオンラインセミナーでアフターコロナを考える

先日、セールスフォース・ドットコム主催のオンラインセミナー「池上彰氏と考える日本経済の未来〜”いま”と”これから”の日本企業の在り方〜」に参加しました。

池上氏は、世界史の長い歴史の中で、今どんな場面にいるかを考えることが重要として、過去にヨーロッパで蔓延したペストのエピソードを紹介。14世紀に欧州で人口の3分の1が亡くなったとされるペストですが、一方で様々な分野でパラダイムシフトや新たな価値の創造につながりました。

① 封建主義から資本主義へ
当時の欧州は封建主義が主流で、封建君主が土地を農民に分け与え、代わりに無給労働や年貢、税金を納めさせていましたが、ペストにより労働力が激減。労働力が不足したため、封建君主は農民の意欲を上げるためにも土地を貸し出さざるをえなくなり、農民はそれぞれが工夫して成果を上げるようになるなど、資本主義の礎を築くことになりました。

今回のコロナ禍では経済システムといったマクロ面でのパラダイムシフトまで起こることは考えづらいですが、働き方などミクロ面では大きな変化を起こすことになりそうです。感染防止の観点からテレワークが普及しつつありますが、在宅では勤務内容を把握しきれないケースもあるだけに、「6501 日立製作所」、「4911 資生堂」、「6702 富士通」などが職務を明確に規定し時間より成果で評価するジョブ型雇用の本格導入を決定。今後は年功序列・終身雇用といった日本型雇用も終焉に向かうことになりそうですね。

② 休校で万有引力発見
今回のコロナ禍では、日本でも幅広く学校が休校となりましたが、アイザック・ニュートンは当時通っていたケンブリッジ大学がペストで休校となった期間に落ちるリンゴを見て万有引力の法則を発見。 のちに、この休校期間を、「創造的休暇」と呼んだそうです。

6/20の日本経済新聞が、「巣ごもり投資家、世界で急増」と報じておりますが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛で、自宅からスマホで株式売買する巣ごもり投資家が増加。休業補償、給付金なども元手となり、投資家層の広がりにつながっているようですが、資産形成という観点からは「創造的休暇」ともいえそうですね。

③ シェイクスピアの傑作悲劇のオチにも
イギリスの文豪シェイクスピアの傑作悲劇「ロミオとジュリエット」では、ジュリエットが企てた一芝居をロミオに手紙で知らせる場面が出てきますが、この手紙を届ける使者が途中でペスト患者と遭遇し、そのまま隔離されてしまったことで、ロミオが手紙を受け取れず(ジュリエットの一芝居に気づくことができず)、結末の悲劇へと向かうことになります。

ペストを巡る文学としては、今回のコロナ禍でノーベル文学賞を受賞したアルベール・カミュの代表作「ペスト」がベストセラーに。今後は新型コロナを題材にした傑作誕生にも期待したいですね。

私も今回の緊急事態宣言期間に、「ペスト」(新潮文庫)を読んでみましたが、エンディングでは、「ペスト菌は決して死ぬことも消滅することもないものであり、(中略)そしておそらくいつか、人間に不幸と教訓をもたらすために、ペストが再びその鼠どもを呼びさまし、どこかの幸福な都市に彼らを死なせに差し向ける日が来るであろう(後略)」とあります。

今回の新型コロナを巡る第二波への警戒感は当然として、さらにいつかまた襲来するであろう新型ウイルスへの警戒感は投資家として忘れないようにしましょう!

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